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2011年07月28日

戯曲『落とし物』

(ある路地。バッグを持った女1が歩いてくる)
(すぐ後から、男1が小走りでやってくる。女1を追いかけて来たようだ)

男1「あの、すいません」
女1「(振り返って)はい?」
男1「あの、これ。(と、手に持っていた物を差し出す)」
女1「は」
男1「(差し出す)」
女1「…なんですか?」
男1「いや、だから、これ」
女1「これが、なんなんですか」
男1「だから、落とし物です」
女1「はあ」

(間)

男1「いらないんですか」
女1「何をです」
男1「だから、これ」
女1「これって、落とし物なんでしょう?」
男1「そうですよ」
女1「落とし物は、落とした人の物じゃないんですか?」
男1「だって、あなたが落としたんですよ」
女1「……え?」
男1「あなたが」
女1「私が?」
男1「ええ」
女1「あの、私、そんな物落としてませんけど」
男1「いや、だって、…さっき、そこの曲がり角で、あなたのバッグからこれが」
女1「私のじゃありません」
男1「……あなたのバッグから、落ちたんですよ?」
女1「何かの間違いでしょう」
男1「間違えようがないですよ、だって……。僕、あなたのすぐ後ろ歩いてたんですから。目の前で見てたんですよ」
女1「私はそんな物持ってません」
男1「でも……」
女1「持ってない物を落とせるわけないじゃないですか」

(女2が歩いてくる)

男1「だけど、現にあなたの……」
女1「そんなはずありません」
男1「ありませんって言われても」
女1「なんなんですか、あなたは。からかってるんですか」
男1「そういうわけじゃ……」
女2「(女1に気付く)ケイコ?」
女1「(その声に振り向く)あれ、マリナ」
女2「どうしたの、こんなところで」
女1「ちょうど良かった、ねえ聞いてよ、この人が変な言いがかりつけてくるの」
男1「言いがかりじゃない!」
女2「どういうこと?」
女1「この人が、私がこれ落としたの拾ったから受け取れって言うの」
男1「実際に落としたじゃないですか、今さっき」
女1「だってそれ、私のじゃないし」
男1「なら、どうしてあなたのバッグからこれが?」
女1「そんなの知るわけないでしょ」
女2「(なだめるように)まあまあまあ。(男1に)あのう、この子もこう言ってることだし、別にいいじゃないですか、無理にそんな」
男1「だけど」
女2「誰にだって間違いはありますよ。ここはひとつ……」
男1「いや、間違いない。絶対に、この人が、これを落としたんです」
女1「落としてないって言ってるでしょ、しつこいなあ」
男1「なにぃ?」
女2「まあまあまあ……。どうしてそんなにこだわるんですか、たかが落とし物で」
男1「だって、どう考えておかしいじゃないですか」
女1「この人、きっと優越感に浸りたいんだ」
男1「はあ?」
女2「優越感?」
女1「落とし物を拾って親切にしてあげたっていう優越感。それが味わいたいからわざわざこんなことでっち上げて……」
男1「バカじゃないのか。わざわざそんなことするか」
女2「確かにね。わざわざそんなことする人いないと思う」
男1「当たり前だ」
女2「きっと、もっと深い理由があるんだよ」
男1「え?」
女1「どういうこと?」
女2「例えば、そうだな、これは実はこの人が誰かから盗んだ物で、でも足がつきそうになったから、警察に捕まらないうちにこれをケイコに渡して、ケイコを犯人に仕立て上げようとしてるとか」
男1「何を言ってるんです、あなたは」
女1「そうだ、きっとそれだよ! だからこんなにムキになって」
男1「いい加減にしろ! それ以上失礼なことを言うと」
女2「ホラ怒った。図星なんだきっと」
女1「ズバリ言い当てられて焦ってる」

(言い争っているところに、男2が通りかかる)

男1「誰だって怒りますよ。そんな、人の親切を踏みにじるような……」
女1「あ、やっぱり優越感?」
男1「そうじゃなくて!」
女2「とにかく、この人が泥棒なら、早く警察に連れて行った方が良くない?」

(男2、「泥棒」「警察」の言葉に反応し、立ち止まり、三人に体を向ける)

女2「だよね」
男1「だよねじゃない!」
男2「あの、すいません。今、泥棒だとか警察だとかいう言葉が聞こえたんですが」
女2「ええ。あなたは?」
男2「ああ、私、(懐から警察手帳を取り出し)こういう者です」
女2「刑事さん?」
男2「まあ、一応」
女1「ちょうど良かった、刑事さん、この人が……」
男1「待て、おい、ちょっと待て!」
男2「この人が何か?」
女1「泥棒なんです」
男1「違う!」
男2「泥棒……?」
男1「違う違う、違うんですよ全然」
女2「この人、自分の盗んだ物を人に押し付けて罪をなすりつけようとしてるんです」
男1「違いますよ刑事さん、僕の話を聞いてください」
女1「聞く必要なんかありませんよ」
男1「何だと?」
男2「まあまあ。私としてはあくまで、両方の意見を聞いて。(男1に)で、なんですか?」
男1「これは、確かにこの人が落とした物なんです。この人のバッグから落ちたのを見たから、それを拾って渡そうとしただけなんです。それなのに」
女1「でも私はそんなの持ってませんでした」
男1「と、まあ、こう言ってきかないと言うか……」
男2「ふうん、なるほどなるほど…。…ちょっと、(男1の手にある物を指して)見せてもらってもいいですかね、それ」

(男1、男2にその物を渡す)

男2「(しばらく見つめ、何かに気付く)ん…? これは。(手帳に書かれたメモと物を見比べて)間違いない、これは先日、ある資産家の屋敷から盗まれた物です」
男1「え?」
男2「冷酷な事件でした。資産家は惨殺、その家族も皆殺しにされ、屋敷の中の物という物、すべてが盗まれていました」
女1「ひどい……」
女2「(男1を指して)この人、この人がやったんだ!」
男1「ちょっと待て、違う! 刑事さん、(女1を指して)犯人はこの女です」
女1「え?」
男1「だってそうじゃないか、これはこの女のバッグから、……そうか、刑事さん、だからこいつはしらばっくれたんですよ。自分が落としたのに、自分のじゃないって」
女1「変な言いがかりはやめてよ!」
男1「そうとしか考えられないじゃないか!」
男2「まあ待ってください。ええっと、つまりは、どちらかが嘘をついているということになりますね。(女2に)あなたは現場は見てないんですか」
女2「現場?」
男2「ええ、だから、落としただの、落としてないだのの……」
女2「ああ、ええ、はい」
男2「つまり、特定する手がかりは何もない、ということですね」
男1「僕は嘘なんか言ってない!」
男2「しかし、嘘をついていると断って嘘をつく人もいませんから」
男1「そんな」
男2「とにかく、とりあえず二人とも署までご同行願えますか」
女1「やだ。私、絶対行かないから」
女2「ケイコ、ここは行っといた方がいいよ」
女1「大体、この人ホントに刑事なの?」
男2「はい?」
女2「何言ってんのケイコ? だって、さっき手帳を」
女1「けど、私本物の警察手帳なんて一度も見たことないし。『これが本物です』って言われたら信じるしかなくない?」
男1「確かに、昼間から私服の刑事がぶらぶら歩いてるなんて不自然だよなあ」
男2「私を疑っているんですか?」
女1「あなたが刑事だっていう証拠はあるんですか、手帳以外で」
男2「証拠っていわれても……」

(女3が歩いてくる)

男1「どこの警察署ですか」
男2「すぐそこです。ああ、署まで行けば私の同僚がいますよ、それで分かるでしょう」
女3「(男2を見て)あれ、オカダさんじゃない?」
男2「(気付き)え?」
女3「やっぱりそうだ、どうしたのこんなところで」
男2「あの、すいません、どちら様ですか?」
女3「やだ、何言ってるの、もう」
女2「(女3に)あの、この人知ってるんですか?」
女3「ええ、はい、同じ職場ですから」
男1「じゃあ、あなたも警察の人?」
女3「警察? 違いますよ、この近くの保険会社です」
男1「警察じゃないんですか?」
女3「ええ。どうして警察なんて……?」
男2「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。(女3に)あの、あなたは誰なんですか? 私はあなたのことを知りませんけど」
女3「何言ってるの、あなた、オカダさんでしょ?」
男2「いや、確かに私の名前はオカダですけど、あの、誰かと間違えてませんか、私は警察官で……」
女3「どうしたの一体?」
女1「(男2に)どうして嘘をつくんですか?」
男2「嘘じゃない、この方が間違えているんです」
女1「会社員なのに刑事のフリして、何が目的なんです?」
男2「目的も何も、私は刑事だ」
女3「あら。(と、男2の手にある例の物に気付き)ちょっと、それ見せて?(受け取る)あら、まあ……。オカダさん、これ、どこで?」
男2「は?」
女3「これは、十八世紀にイタリアで、…ああ、うまく言えないけど、あの、そうね、時価二千万はする物よ」
一同「ええ?」
男1「二千万?」
女3「ええ。私、そういうの詳しいの」
女2「すごい……」

(間)

男2「あのう、返してもらえませんか、それは重要な証拠でして」
女1「待ってください。それ、私のです」
男2「……は?」
女1「私がバッグから落としてしまったんです、返してください。(と、女2の手から奪い取る)」
男2「あなた、さっきはこんな物知らないと言ってたじゃないか!」
女1「そうでしたっけ?」
男1「いや、違いますよ。それは元々、僕が持っていたんです」
男2「え?」
女1「あなた、私が落としたって言ってたじゃない」
男1「しかしあなたはそれを否定した」
女1「さっきはね」
男1「あなたはそれは僕の物だと言った。だから僕の物です」
男2「ちょっと待ちなさい、さっきも言いましたが、これは強盗殺人事件の盗品ですよ。私はこれの持ち主を逮捕します」
女1「だってあなた、刑事じゃないんでしょ?」
男1「保険会社の人でしょう?」
男2「私は刑事です、何度言えば……」
女3「どうしてそんな嘘つくの、オカダさん」
男2「あなたは一体誰なんだ」
女3「どうしちゃったの、本当に」
男2「混乱させないで下さい、あなたは一体……(頭を抱える)」
男1「(女1に)とりあえずそれを返せよ」
女1「イヤ。だって私のだもん。私が落としたんだから私の」
男1「俺のだ」
女1「じゃあどうして私に渡そうとしたの」
女3「きっと、あなたが好きなのよ」
女1「はあ? 何それ」
男1「そうだ、あなたが好きだからだ」
女1「ふざけないでよ」
男1「愛してる」
女1「じゃあこれは私のものね」
男1「それとこれとは話が別だ」
女1「どっちなの」
男2「ちょっと静かにしてくれませんか! 何が何だか……」
女1「だって……」

(そのとき、女2、後ろから女1を刃物で刺す)
(女1、絶命する)
(女2、死んだ女1の手から、その物をそっと取り、それをじっと見つめる)

男2「あ、あなた……?」
女3「殺したの?」
男1「殺したのか?」
女2「え? ……ああ、死んでるね。でも、私が殺したんじゃないよ」

(間)

女2「私は殺してないもん。私じゃないよ。本当だよ?」

(ただ、風が吹いて……)

posted by 晴居彗星 at 19:49| Comment(1) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月23日

戯曲『魔術』

魔術師「わたしは一度死んでも、再び生き返ることができます」
観客「ウソに決まってんだろ」
魔術師「いいえ、タネも仕掛けもありません。今から、私が自分で自分の胸をナイフで刺します。あなたがそのナイフを抜いてくれたなら、わたしは生き返ることでしょう」
観客「じゃあ、やってみろよ」
魔術師「いいですか。いきますよ。えい!」
(魔術師、ナイフで自分の胸を刺す)
(魔術師、倒れる。どくどくと流れる血)
観客「………」
(観客、携帯電話をいじって、メールなぞをチェックしている)
(魔術師は横たわったままである)
(観客、ゆうゆうと煙草を吸っている)
(そのまま、時ばかり過ぎていく)
魔術師「(起き上がって)ていうか早く抜いてよ」
観客「死んでねえじゃん」
posted by 晴居彗星 at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月29日

戯曲『湯神論』

(ひとりの男が風呂に入っている)
男「あー…(と、快楽に漏れる声)」
(うっとりと目を閉じて、肩まで湯に浸かっている)
(次第にその気持ちよさに溶けていくような感覚)
(やがて男は湯の中に拡散していき、湯船と一体となる)
男、というか湯船「(悟ったように叫ぶ)み、見える! すべてが見えるぞ!」
(何とも言えぬ快楽の湯気が、世界に広がっていく)
posted by 晴居彗星 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月25日

戯曲『問いと逃避』

(A、B、Cがいる)
A「今日は、何かした?」
B「何もしてないよ」
C「何かしようとした?」
A「何もしようとしてないよ」
B「何かしたいとは思う?」
C「何かしたいとは思うよ」
A「でも何かした?」
B「何もしてないよ」
C「何をしたいのか分かる?」
A「何をしたいのか分からないよ」
B「でも何かしたいとは思う?」
C「何かしたいと思うよ」
A「何が出来る?」
B「何かが出来る気はするよ」
C「それは何?」
A「それは分からない」
B「でも何か出来るんじゃないかと」
C「何かになれるんじゃないかと」
A「そんな風に考えながら」
B「そんなことを思いながら」
C「もう何年経った?」
(そこは、四畳半のボロアパートの一室に変わる)
(一人の男が、大の字に寝転びながら天井を見つめている)
A、それは天井のシミ1「君は誰?」
B、それは天井のシミ2「何をしてるの?」
C、それは天井のシミ3「このまま君はどうなるの?」
(男には、その3つの天井のシミが、自分を見つめている顔に見える)
男「…知らないよ」
(男、そのシミの顔が自分に覆い被さってくる妄想に駆られ、必死に目を閉じる)
(寝付けない意識の中、明日が来ることを、忘れようとしている)
posted by 晴居彗星 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月24日

戯曲『参加の意志』

(サウナに、男たちが座っている)
男1「(汗をだらだらかきながら)あっちぃなあ」
男2「(同じく汗を流しながら)なんだ、もうギブか?」
男1「んなわけねえだろ」
男2「我慢出来なかったら出てもいいんだぞ」
男1「こっちの台詞だよ」
(しばし時間経過)
男1「(険しい顔)お前、もう無理だろ」
男2「(険しい顔)お前こそ、目回ってクラクラしてんだろ」
男1「してねえよ」
男2「やせ我慢すんなよ」
男1「お前なんかに負けるわけねえだろ」
男2「お前よりは暑さに強いよ」
男1「じゃあもう、早く出た方が負けな」
男2「おうよ」
(しばし時間経過)
(二人、汗をだらだら流しながら耐え続ける)
男1「…もうギブか?」
男2「…全然」
(しばし時間経過)
男2「……いい加減にしろよ」
男1「……お前だよ」
(二人とも、見るからに限界を超えている)
男1「……なあ」
男2「……なんだよ」
男1「提案なんだけどよ」
男2「ああ」
男1「とりあえず、とりあえず一旦出て、ちょっと休憩挟んで、もう一回やらねえか?」
男2「実は俺もそう思ってたんだ」
男1「よし、一旦出るか(立ち上がる)」
男1「休憩は必要だからな、ボクシングでも何でも(立ち上がる)」
(二人、一緒にサウナの扉を開ける)
(扉が閉まると、今まで二人が入ってきた時からその一部始終をじっと見ていた男3がほくそ笑む)
男3「(汗を滴らせながら呟く)俺の勝ち」
posted by 晴居彗星 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月06日

戯曲『適当』

(男1、鼻歌をうたっている)
男1「んんんーんーんー、んーんんんーんーんー、んんんー、んんんー」
(そこに男2がやってくる)
男1「んんんー、んんんー、んーんんんーんんー、んんー」
男2「違ってるよ」
男1「(歌をやめて)え?」
男2「ラストの所、『んんー』じゃなくて、『んーんー』だよ」
男1「違うよ、『んんー』だよ」
男2「いや、そうじゃなくて、『んーんー』」
男1「『んんー』」
男2「『んーんー』」
男1「なんで伸びるんだよ」
男2「知らないよ、だってそうなんだよ」
男1「なんでお前に分かるんだよ」
男2「だってその曲、俺が作ったんだよ」
男1「違うよ、だって適当に歌ってんだもん」
男2「適当だったらメロディとかどうでもいいじゃねえかよ」
男1「どうでもいいメロディなんかねえよ」
男2「じゃあ適当じゃねえじゃねえかよ」
男1「いいじゃねえかよ、ていうかお前こそ『俺が作った』とか適当言うなよ」
男2「適当だったら何言ったっていいじゃねえかよ」
男1「よくねえよ」
男2「お前は適当な人間じゃねえのかよ」
男1「俺は適当な人間じゃねえよ」
男2「だったら適当な俺にこそ、そういう適当なメロディがふさわしいんだよ」
男1「じゃあいいよ、お前にやるよ」
男2「じゃあ貰うよ。(歌う)んんんーんーんー、んーんんんーんーんー」
(男2、歌いながら去って行く)
(男1、男2の背中を見送りながら、耳を澄ます)
男1「…ああ、違う違う、そこ違う」
(と、男1、男2の後を追う)
posted by 晴居彗星 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月04日

戯曲『愛の大きさ』

(二人の男女)
女「ねえ」
男「ん?」
女「あたしのこと好き?」
男「好きだよ」
女「どれぐらい?」
男「(両手で示して)これぐらいかな」
女「えー、それだけー?」
男「よく見てみ」
(女、男の両手に挟まれた空間を覗き込む)
(その両手の中に、銀河系が見える)
posted by 晴居彗星 at 23:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月26日

戯曲『遠くを見つめる』

(夜道)
(犬を連れた男と、買い物かごを提げた女がすれ違う)
女「あらこんばんは」
男「ああ、これはこれは」
女「こんな時間にお散歩?」
男「ええ、こいつが行きたがって仕方なくて」
女「あらそうなの?」
犬「まあ」
女「どうしたの?」
犬「いえ、なんか気分的に」
男「近所の雌犬にフラれたんですよきっと」
犬「ちげーよバカ」
女「あら可哀想」
犬「だから違うんですよ奥さん」
男「いいんだよ。俺も若い頃はいろいろあった」
犬「遠い目すんなよ」
女「そうよね。若い頃はいろいろあったわよね」
犬「はい奥さんも遠い目やめる」
男「いいからお前も遠い目してみろ。自分の悩みがちっぽけに思えるから」
犬「何言ってんだ、そんなわけ…(遠い目をしてみる)ほ、ホンマや!」
(三者三様に、遠い目をして夜空を見上げる)
月「そんなに見んなよ」
男・女・犬「お前じゃねーよ」
posted by 晴居彗星 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月20日

戯曲『予言者』

(予言者であるトリケラダムスの屋敷)
(トリケラダムスの傍らには、彼の弟子であるステゴダムスがいる)
トリケラダムス「ねえねえ、ステちゃん」
ステゴダムス「なんすか?」
トリケラダムス「世界ね、明日滅びるよ」
ステゴダムス「…え、マジっすか?」
トリケラダムス「うん、マジ」
ステゴダムス「明日? 明日なんすか? 百年後とかじゃなくて?」
トリケラダムス「ううん、明日明日」
(間)
ステゴダムス「先生、そういうのは、もっと早めに言ってくれないと困りますよ。明日っていったら、もう何の手の施しようもないじゃないですか」
トリケラダムス「だって、さっき分かったんだもん、しょうがないじゃん」
(軽く言いながらも、トリケラダムスのコーヒーを持つ手は震えている)
ステゴダムス「…じゃあ、どうします、先生。公表しますか、これ」
トリケラダムス「どっちでもいいよ。どっちでもいいけどさ、多分、大混乱でしょ。そしたらきっと、暴動とか起きちゃってさ、そのうち、別に俺悪くないのに俺悪いみたいな雰囲気になってさ、滅びる前に殺されちゃったりすると思うんだよね」
ステゴダムス「そうでしょうね、きっと」
トリケラダムス「…それ嫌だな。どうせなら、自分が予言した滅亡で死にたいじゃん」
ステゴダムス「そういうもんですかね」
トリケラダムス「そういうもんなんだよ」
(トリケラダムス、コーヒーを口に運ぼうとするが、カップを落としてしまう)
(割れたカップからは、真っ黒なコーヒーが床に広がっていく)
トリケラダムス「…分かっちゃってんだもんなぁ…」
ステゴダムス「悲惨なんすか? 明日」
トリケラダムス「…そりゃあ、もう」
(トリケラダムスの瞳には、予言者特有の深い悲しみの色が浮かんでいる)
posted by 晴居彗星 at 23:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月22日

戯曲『彼女の右手』

(冬の夜道)
(一組のカップルが、手をつないで歩いている)
(しかし、女の方は、右腕からその指先までの部分しか存在しない)
(他の部分は、消えてしまっている)
(男は、彼女の右手を、左手でしっかり握っている)
男「…ほとんど、消えちゃったね」
(女の右手、返事をするように、短くギュッと、男の手を握り返す)
男「…うん」
(間)
男「…寒いな」
(女の右手、握り返す)
(男、その右手を見つめている)
(しばらくして、雪が降り始める)
男「(空を見上げて)あ、雪だよ、(女に)分かる?」
(女の右手、分からない、というように、力ない反応)
(男、女の右手を握ったまま、その手を軽く持ち上げる)
(女の手の甲に、一つの雪が、ぽつん、と当たる)
(女の右手、一瞬ぴくん、と反応する)
男「冷たかった?」
(女の右手、握り返す)
男「…雪だよ」
(女の右手、握り返す)
(そして、まるで雪が溶けるかのごとく、女の右手が、スーッと消えていく)
(男がそれを黙って見つめる中、やがて女は完全に消えてしまう)
(男、さっきまで女の手を握っていたその左手を、じっと見つめる)
(その手に、また一つ、雪が当たる)
男「…雪だよ」
(男、降り注ぐ雪を見つめながら、ほんの少しだけ、泣く)
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2007年11月29日

戯曲『地デジ的な僕等の友情』

(一人暮らしをしているAの家)
(Aと、友人のB、入ってくる)
(二人、適度に酔っている)
B「お邪魔しまーす」
A「ま適当に、そこらへんに」
B「うん」
(B、座る)
A「まだ飲むっしょ?」
B「ああ、うん」
A「テレビとか、勝手にアレしていいから」
B「うん」
(A、キッチンに行く)
(B、ぼんやりとテレビのチャンネルをザッピングする)
B「(キッチンのAに)これ地デジ対応?」
A「うん」
B「すげー」
(A、缶ビールを2つ持って戻ってくる)
A「(ビールを渡しながら)お前んち、まだ買い替えてないの?」
B「(ビールを受け取って)サンキュ、うん」
A「なんで?」
B「タイミング見てんの」
A「そっか(缶を開けて、一口飲む)」
(間)
B「しっかし、お前が結婚するとはねー」
A「なんだよ急に」
B「いやいや、ホントに」
A「まあまあ」
B「おめでとう」
A「ありがとう」
(間)
B「(缶を開け、一気に半分ぐらい飲む)…実はさー」
A「ん?」
B「(明るく)俺も好きだったんだよね、あいつのこと」
A「…(明るく)あ、そうなの?」
B「うん」
A「あそうかー、マジかー、へー」
B「実はねー、うん、ははは」
(間)
B「(テレビを観ながら)地デジかー」
A「………」
B「タイミングなー」
(B、苦笑しながらビールを一気に飲み干す)
(そしてB、笑顔でAの肩を叩く)
(Aも笑い、ビールを飲み干す)
(二人、笑う)
(テレビのバラエティ番組のガヤも、一緒に笑っている)
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2007年11月07日

戯曲『我が名はカトリーヌ』

(駅前)
(一人の女が待っている)
(やや遅れて、男が現れる)
男「悪い、待った、由美?」
女「……」
男「おい、由美」
女「……」
男「怒ってんのか?」
女「わたくし、由美じゃないわ」
男「は? 何言ってんの?」
女「改名したの」
男「え?」
女「今日からわたくしの名前は、カトリーヌよ」
男「いやいや」
女「カトリーヌと呼んで頂戴」
男「え、マジで言ってんの?」
女「何よ、その貧乏臭い格好、それでわたくしと釣り合いが取れると思って?」
男「ていうかなんなんだよ、そのセレブな喋りは」
女「ああ、嫌だ嫌だ、あなたみたいな下層階級の人間がボーイフレンドだなんてお父様に知られたら、わたくし、お城に入れてもらえなくなってしまうわ」
男「お前んち普通の一軒家だろうがよ」
女「お前だなんて気安く呼ばないでくださる? あなたとは住んでいる世界が違うの。その辺、はっきり自覚して頂戴ね」
男「(面倒臭くなり)はいはい、分かりましたお嬢様。で、僕はお腹がすいたんですが、お嬢様は何か召し上がりたい物はございますか?」
女「牛丼」
男「そこは変わらないんだな」
女「…………」
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2007年10月27日

戯曲『会社の危機』

(会議室)
(社長と専務が立っている)
専務「どうしましょう、社長?」
社長「どうしよう…」
(一年後)
(同じ会議室)
(社長と専務が立っている)
専務「どうしましょう、社長?」
社長「どうしよう…」
(百億年後)
(宇宙空間)
(社長と専務がポツンと立ったまま浮かんでいる)
専務「どうしましょう、社長?」
社長「どうしよう…」
(二人、そのまま漂っていく)
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2007年10月25日

戯曲『その瞬間は気付かない』

(とある会社の、個人面接の場)
(眼鏡をかけた面接官が一人、座っている)
(ドアをノックする音)
面接官「どうぞ」
応募者「失礼します(と、ドアを開け、部屋に入る)」
面接官「お座りください」
応募者「失礼します(と、面接官と相対する椅子に座る)」
面接官「えーっと、まずはお名前を…」
応募者「あの」
面接官「はい?」
応募者「失礼します」
(言うが早いか、応募者、まるで爆発するような屁をこく)
面接官「………」
応募者「失礼しました(と、立ち上がる)」
面接官「え、おい、ちょっと君」
応募者「失礼します(と、部屋を後にする)」
(呆然と座っている面接官)
面接官「(我にかえった瞬間)くさっ! なんだこれ、くさっ! オエッ、くさっ! くさっ!」
(面接官、悶え苦しみながら、息を引き取る)
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2007年09月24日

戯曲『爽やかになるために』

(喫茶店)
(先輩と後輩である、若い男二人が、向かい合って座っている)
後輩「なんで俺、モテないんすかね?」
(先輩、腕を組んでじっと考える)
先輩「爽やかさが足りないな」
後輩「爽やかさっすか」
先輩「爽やかさだよ」
後輩「爽やかさか…」
(間)
後輩「どうやったら爽やかになれますかね?」
(先輩、じっと考える)
先輩「爽やかになろうと思えばいいんじゃね?」
後輩「思えばいいんすか?」
先輩「思えばいいよ」
後輩「思えばいいのか…」
(間)
後輩「爽やかになろうと思うには、どうすればいいんすかね?」
(先輩、じっと考える)
先輩「…え、もいっかい言ってくんない?」
後輩「爽やかになろうと思うには、どうすればいいんすかね?」
(先輩、じっと考える)
先輩「…思えば?」
後輩「はい、だから、それにはどうしたらいいんすかね?」
先輩「…え、爽やかになりたくないの?」
後輩「いや、めっちゃなりたいんすけど」
先輩「じゃあ、いいじゃん」
後輩「あ、いいのか」
先輩「うん、いいよ」
(間)
後輩「…え、何が?」
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2007年09月17日

戯曲『ドリンクバー』

(ファミレス。カップルが座っている)
(店員がそのテーブルにやって来る)
店員「ご注文承ります」
男「えっと、和風ハンバーグセット」
店員「和風ハンバーグセットがお一つ」
女「茄子とアンチョビのピザ」
店員「茄子とアンチョビのピザがお一つ」
男「(女に)ドリンクバーは?」
女「いる」
男「(店員に)ドリンクバー2つ」
店員「ドリンクバーがお2つ。…ご注文の方、以上でよろしかったでしょうか?」
男「あ、はい」
店員「ドリンクバーの方、セルフサービスとなっております。あちらに滝壺がございますので、ご自由にどうぞ」
男「え? 滝壺って何?」
(店員、去る)
女「何、滝壺って」
男「分かんない」
(間)
男「とりあえず行ってくるわ。何がいい?」
女「ジンジャーエール」
男「分かった」
(男、立ち上がり、行こうとする)
(女、その服の裾を引っ張る)
男「何だよ?」
女「なんか、もう逢えない気がする」
男「何言ってんだよ」
(男、その手を取り払って、ドリンクバーの方に向かう)
(そこは、滝壺)
男「え?」
(顔を上げると、大きな崖がそびえ立ち、横並びに沢山の滝が、それぞれオレンジジュース、コーラ、メロンソーダなど、様々な飲み物を轟々と滝壺に流し落としているのが見える)
(その滝が落ち込んでいる淵は、様々な飲料水が混ざりあって、どす黒い色をしている)
男「これ…、どうやって…」
(淵はかなり深く、滝まで相当な距離がある)
船頭「よう兄ちゃん、どの滝だい?」
(見ると、淵の岸に小さな木の小舟があり、船頭がそこで仁王立ちしている)
男「…ジンジャーエール」
船頭「あいよっ! 乗りな、兄ちゃん!」
(男、コップを2つ持って、黙って小舟に乗る)
船頭「兄ちゃん」
男「(船頭を見る)」
船頭「溺れねえように気を付けな」
男「(力なく頷く)」
(船頭、櫂を使って漕ぎ出す)
(男、小舟にしがみつきながら、予想以上の揺れに、早くも嘔吐感がこみ上げている)
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2007年09月08日

戯曲『消防士、アタック失敗』

(音楽)
(消防士が、放水しているホースを振り回しながら踊っている)
(とても楽しそうに踊っている)
(さらに踊りがエスカレートしていく)
(そこに、綺麗な女性が通りかかる)
(消防士、踊りながらその女性に近づき、声をかけようとする)
(その瞬間、ホースの水が女性に思いっきりかかる)
(女性、小さく悲鳴をあげ、すぐさま消防士にビンタ)
(消防士、思わずホースを落として、叩かれた頬を押さえる)
(怒ったように女性は去っていく)
(落ちたホースから溢れる噴水のような飛沫の中に、ひっそりと虹が浮かび上がっている)
(消防士、その虹を見つめる)
(音楽、いつまでも流れ続けている)
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2007年08月30日

戯曲『現実は残酷ね』

(可憐な男と女が、薔薇の花に包まれながら、優雅な問答を交わしている)
(会話は極めてわざとらしい)
男「どうしてもかい? どうしても行くというのかい?」
女「ええ。あたしたち、結ばれてはいけない運命なのよ」
男「どうしてだい? どうしてそんなことを言うんだい? 僕は、君のことをこんなにも、ああこんなにも愛しているというのに! それとも、君は僕のことを嫌いなのかい?」
女「そんなはずないじゃない! 愛してるわ! あたしだって、あなたのことを心から愛しているわ!」
男「だったら何故! ねえ、何故なんだい! 教えてくれ、どうして僕たちは結ばれてはいけないんだ!」
女「あたし、知ってしまったの。本当のことを」
男「本当のこと?」
女「実は、あたしとあなたは、…血のつながった、実の兄妹だったのよ!」
(ジャジャジャジャーン! ショッキングな効果音)
男「そ、そんな馬鹿な! ああ、嘘だ、夢なら醒めてくれ!」
女「残念だけど現実よ。そう、現実というのはいつでも、残酷なものなのよ」
男「悲しいね」
女「悲しいわ」
(悲壮感漂う音楽。二人、遠くを見る)
(そこにブルドーザーがやってきて、薔薇ごと二人を踏み潰す)
運転手「(ブルドーザーから顔を出して)馬鹿野郎、気を付けろ!」
posted by 晴居彗星 at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月25日

戯曲『おやじエレベーター』

(一人の若い男が、エレベーターを待っている)
(しばらく経って、エレベーターの扉が開く)
(そこには、上半身裸で正座している、中年の男がいる)
若い男「…え?」
(中年男は黙って、真正面を向いている)
(若い男、なんとなく、生理的に乗りたくないので、動かない)
(時間が経ち、エレベーターが閉まる)
(エレベーターは上に向かう。若い男、表示ランプを見つめる)
(エレベーター、また降りてくる。扉が開く)
(上半身裸の中年男が、二人に増えている)
若い男「……」
(若い男、やっぱり乗る気がしないので、やり過ごす)
(エレベーターはまた上に行き、戻ってくる)
(開いたエレベーターには、中年男が三人)
若い男「なんなの、なんなのこれは?」
(中年男達は何も言わない)
(若い男は急いでいるので、もう乗ってしまおうかと悩む)
(中年男達はじっと若い男を見つめる)
若い男「こっち見んな」
(中年男達、視線を真正面に戻す)
(若い男、もう一回だけ様子を見ようと思い、乗らない)
(エレベーター、また上に行き、戻ってくる)
(開いたエレベーターの中は、中年男達がすし詰め状態になっている)
(中年男達、じっと若い男を見つめる)
(若い男、諦めたように、エレベーターに足を踏み入れる)
(ブー、という、重量オーバーの音)
(中年男のうちの一人が、エレベーターを出る。音が止む)
若い男「…加齢臭が」
(エレベーターは閉まり、上に向かう)
(その表示ランプを、降りた中年男は、じっと見つめている)
posted by 晴居彗星 at 16:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月19日

戯曲『砂の上の兄弟』

(幼い兄弟が、砂漠の上で立ち尽くしている)
兄「…いつになったら着くんだろうな」
弟「……」
(間)
兄「(足元の砂を掴んで)熱い」
弟「え?」
兄「生きてるみたいだ」
弟「……」
(兄、しばらく砂を弄んでいる)
(弟、兄から離れ、照りつける太陽をじっと睨む)
(弟、振り返ると、いつの間にか兄がいなくなっている)
弟「…兄ちゃん?」
(弟、必死に兄を捜す。しかし、どこにも見当たらない)
(弟、ふと足元を見る)
(そこには、砂と化してしまった、横たわる兄の「形」がある)
弟「なんで…? なんで…?」
(その刹那、強い熱風が砂漠に吹き荒れる)
(兄の形をした砂は、その風に吹き飛ばされてしまう)
弟「(風に耐えながら、空に)兄ちゃーーーーーん!!」
(風が収まる頃にはもう、兄は影も形も無い)
(弟、呆然と空を見る)
弟「ずるいよ、一人で行っちゃうなんて…」
(弟、自分も砂になろうと、寝転がって自ら砂を浴びる)
(弟、やがて砂の上に突っ伏し、泣き始める)
弟「兄ちゃん…兄ちゃん…」
(照りつける太陽の下、弟、いつまでも大声で泣いている)
posted by 晴居彗星 at 19:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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