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2011年04月11日

詩『天秤の問題』

すべては天秤の問題だった

「あなたとがいい」

僕はそれだけを聞きたかった
その一言だけで僕は
設計図を書き換えるペンを握れたかもしれない
もちろん あのときという瞬間は
もう あのときになってしまったけれど

選択が正しかったのかどうか
夜が来るたび揺れた

すべては天秤の問題だった

僕は僕の都合を考えていた
君は君の都合を考えていた
どちらかがどちらかの皿に乗ってはいけなかった
少なくとも諦めを持って乗ってはいけなかった
歓びを持って偏るか
そうでなければすべては釣り合わなければならなかった
或いは真ん中の柱に歩み寄る勇気を
僕と君は 持っていただろうか
反対側から歩いて来る相手の首の上に
僕は君の顔を見ていただろうか
君は僕の顔を見ていただろうか

「今が一番いいときだね」

あまりにも楽しすぎた時間の中で
あまりにも真実を突いた君の言葉を思い出す

すべては天秤の問題だった

思い出の重みに対する天秤の反対側

汚れた靴
散らかった部屋
曖昧な言葉
保証のない将来

君は時間をかけて
ゆっくりと天秤を振り切らせていたか

共に歩いた道
ぬくもりの部屋
安らいだ言葉
思い描いた未来

それらを軽々と吹き飛ばせる錘を
僕はアルコールの海から拾い上げている

一番いいのは
天秤を棄ててしまうことだ
もう少し あと少し
僕はその苦悩の狭間で揺れている
時間の波の揺れに 身を任せるだけだ
流れのままにいれば 自然に手から離れるだろうが

それにしても

君は気づいていただろうか
あの日
僕が新しい靴を履いていたことに
posted by 晴居彗星 at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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