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2011年03月04日

詩『モノリスの手紙』

はじめまして、こんにちは。
今のみなさんには、おそらく、この手紙を読むことができないと思いますし、
そもそも「手紙」という概念すら無いと思いますが、
きっと、頭のよくなったみなさんの子孫が解読する日が来るであろうことを信じて、
すこしばかり、メッセージを残したいと思います。

今日はみなさんに、ささやかですが、プレゼントを差し上げたいと思います。
この手紙の文字が彫られている、みなさんの目の前にある物体がそれです。
突然、空から巨大な物体が落ちてきて、さぞかし驚かれたことと思います。
このプレゼントは、モノリスといいます。
一見すると、ただの黒くて巨大な板のように見えるかもしれませんが、
これは生物の、知的生命としての進化を促す装置です。
これにさわったみなさんは、みるみるうちに頭が良くなり、
火を扱ったり、道具を扱ったり、いわゆる文明を築く知性が目覚めるはずです。
言ってみればこれは、まだこれから大きくなる段階の、
われわれにとっては幼稚園児のようなみなさんに贈る、
形は違えど、ランドセルのようなものです。

実は、わたしがこうしてモノリスをお送りしようと思ったのは、
昨年の暮に、わたしの星の人間が、
みなさんの星へモノリスを寄付したというニュースを聞き、触発されたからなのです。
おそらく、今、世界のいたるところへ、わたくしと同じような人間が、
たくさんのモノリスを、みなさんの同種族の元へ、おくっていることと思います。
したがって、世界中にいるみなさんの仲間には、同時多発的に知性が芽生え、
ひいてはみなさんの星全体の文明の発展にも、つながることと思います。

われわれがこのような寄附行為に及んだのには、理由があります。
現在、われわれの星は、終末の時を迎えているのです。
手前味噌で恐縮ですが、われわれの星は限りなく高度に発達した文明を築きました。
しかし、その発展と引換に、幾度も繰り返された戦争や環境破壊などで、
気づけばわれわれの星は、荒廃の一歩手前まで来てしまいました。
つい先日、われわれの星を統治するマザーコンピュータが、
星の滅亡までの、決して長くない時間を予測計算し、カウントダウンを始めたところです。
自らの責任である以上、この星の人間たちにはもう、覚悟は出来ております。
しかし、せっかく築いた文明を無駄にしなくないという思いも、またあります。
そこでわれわれは、自分たちの文明を、まだこれから発展するであろう、
未来あるみなさんの星のために使おうと思いました。

このプレゼントがみなさんの元へ届くときには、もう、われわれは滅びているでしょう。
地球のみなさん。どうか、われわれのぶんまで、発展してください。
そして、どうか、われわれと同じ轍を踏まないことをお祈りします。
知性による発展を、正しくお使いいただきますよう、切に願っております。
このモノリスに詰め込んだ知性は、非常に少ないものですが、
みなさんとみなさんの子孫が、夢と希望をつかむ一助になればうれしいです。
子孫は星の宝です。
ぜひ、星を滅ぼすことなく、豊かな文明を築いてください。

タイガーマスク星より愛をこめて
二万光年を隔て直人より

posted by 晴居彗星 at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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